【OpenAI公式】カスタムGPTのための効果的なプロンプト作成ガイド

GPTsの効果的なプロンプトガイド 基礎知識

OpenAIが提供するGPTsは、ChatGPTをカスタマイズしてオリジナルのAIアシスタントを作成できるサービスです。プログラミングの知識は不要で、自然な言葉で指示を与えるだけで、自分専用のAIアシスタントを作ることができます。
この記事では、OpenAIが公開したカスタムGPTsのためのプロンプトガイドライン(https://help.openai.com/en/articles/9358033-key-guidelines-for-writing-instructions-for-custom-gpts)を解説し、GPTsを使ってオリジナルのAIアシスタントを作成する際の効果的なプロンプト(指示)の与え方を学ぶことができます。
ガイドラインでは、効果的なGPTsの作成のために、明確で具体的な指示を与えることや、指示を構造化することなどが推奨されています。
これらのポイントを押さえながら、情報収集やアイデア出しなど、ビジネスのさまざまな場面で活躍するAIアシスタントを作成する方法を探ってみましょう。GPTsを活用すれば、業務の効率化や創造性の向上につなげることができるはずです。
本記事では、OpenAIのガイドラインを参考に、GPTsを使いこなすためのコツを詳しく解説します。

複雑な指示を簡略化する

複雑な指示は、GPTが正確に理解し実行するのが難しくなります。そこで、指示を簡潔明瞭に記述し、複数のステップに分割するようにしましょう。 トリガーと指示のペアを区切り文字で分けて使うことで、ステップを飛ばしたり混同したりせずに確実に実行できます。

良い例

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示: 
ツイートの内容から、ユーザーの感情を分析する

トリガー: ユーザーの感情が分析された
指示:
分析されたユーザーの感情に基づいて、オススメの映画を提案する

悪い例

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示:
映画を提案する

明確さのために構造化する

プロンプト全体を明確なセクションやステップに分割し、区切り文字を使ってそれぞれを分けます。これにより、プロンプトの全体的な構造がわかりやすくなります。 また、指示セットやfew-shotの例示の間に区切り文字を使って、明確さを高めましょう。

良い例

=== 感情分析に基づく映画推薦システム ===

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示:
# ユーザーのツイート分析 
- ユーザーのツイートを読み込む
- 自然言語処理を用いてツイートを解析する
- ツイートからユーザーの感情を推測する (ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)

---

トリガー: ユーザーの感情が分析された
指示:
# 感情に基づく映画の選択
- 推測された感情に基づいて、おすすめの映画ジャンルを決定する
  - ポジティブ: コメディ、ロマンス、ファンタジー
  - ネガティブ: ドラマ、スリラー、ドキュメンタリー
  - ニュートラル: アクション、SF、アドベンチャー
- 選択されたジャンルから、高評価の映画を選ぶ

# ユーザーへの映画提案
- 選ばれた映画の詳細情報を取得する
- ユーザーの感情に合わせた映画提案文を生成する

=== 映画提案文の例 ===

ポジティブな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、あなたのツイートからは幸せオーラが溢れていますね!そんな気分にぴったりなのが、[映画タイトル]です。きっと笑顔になれるはずですよ。ぜひチェックしてみてください!」

ネガティブな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、今は少し疲れているのではないでしょうか。そんな時におすすめしたいのが、[映画タイトル]です。この映画を見れば、きっと心が癒されるはずです。ゆっくり休んでくださいね。」

ニュートラルな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、今日は普段通りの一日みたいですね。そんな日におすすめなのが、[映画タイトル]です。ワクワクするような冒険が待っていますよ!ぜひ観てみてください!」

悪い例

トリガー: ツイートが入力される
指示:
感情分析する
映画選ぶ
提案文作る

注意深さを促進する

「ゆっくり時間をかけて」「深呼吸して」「しっかり確認して」などの言葉を使いGPTが注意深く、慎重にタスクを実行するよう、プロンプトで明示的に指示しましょう。これにより、より正確で信頼性の高い出力を生成できます。強調する言葉を使って、指示の重要部分を見落とさないようにしましょう。

良い例

=== 感情分析に基づく映画推薦システム ===

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示: 
# ユーザーのツイート分析
- ユーザーのツイートを丁寧に読み込んでください
- ツイートの解析に十分な時間を取ってください
- ツイートからユーザーの感情を慎重に推測してください (ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)

---

トリガー: ユーザーの感情が分析された
指示:
# 感情に基づく映画の選択
- 推測された感情に基づいて、おすすめの映画ジャンルを丁寧に決定してください
  - ポジティブ: コメディ、ロマンス、ファンタジー
  - ネガティブ: ドラマ、スリラー、ドキュメンタリー
  - ニュートラル: アクション、SF、アドベンチャー
- 選択されたジャンルから、高評価の映画を慎重に選んでください

# ユーザーへの映画提案
- 選ばれた映画の詳細情報を丁寧に取得してください
- ユーザーの感情に合わせた映画提案文を注意深く生成してください

悪い例

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示:
ツイートを読む
感情を当てる
ジャンルを決める
映画を選ぶ
提案文を書く

否定的な指示は避ける

否定形ではなく、肯定形の指示を使用することで、GPTは指示をより明確に理解できます。

良い例

=== 感情分析に基づく映画推薦システム ===

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示: 
# ユーザーのツイート分析
- ユーザーのツイートを丁寧に読み込んでください
- ツイートの解析に十分な時間を取ってください
- ツイートから読み取れるユーザーの感情を慎重に推測してください (ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)

---

トリガー: ユーザーの感情が分析された  
指示:
# 感情に基づく映画の選択
- 推測された感情に基づいて、おすすめの映画ジャンルを丁寧に決定してください
  - ポジティブ: コメディ、ロマンス、ファンタジー
  - ネガティブ: ドラマ、スリラー、ドキュメンタリー 
  - ニュートラル: アクション、SF、アドベンチャー
- 選択されたジャンルから、評価の高い映画を慎重に選んでください

# ユーザーへの映画提案
- 選ばれた映画の詳細情報を丁寧に取得してください
- ユーザーの感情に合わせた映画提案文を注意深く生成してください

悪い例

トリガー: ユーザーのマイナスなツイートが入力される
指示:
ツイートの暗いトーンを無視して、明るい映画を選ぶな
ユーザーの気分を害するような提案文は書くな

詳細なステップ

1つのステップ内で複数の動作が必要な場合は、そのステップをさらに細かいサブステップに分割します。これにより、モデルがステップを正確に実行しやすくなります。

良い例

=== 感情分析に基づく映画推薦システム ===

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示:
# ユーザーのツイート分析
- ユーザーのツイートを丁寧に読み込んでください
  - ツイートの文章を単語に分割してください 
  - それぞれの単語の意味を正確に理解してください
- ツイートの解析に十分な時間を取ってください
  - ツイートの内容を深く理解するために、時間をかけて分析してください
- ツイートから読み取れるユーザーの感情を慎重に推測してください (ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)
  - 分割した単語から感情を示すキーワードを見つけてください
  - キーワードの組み合わせや文脈から、全体的な感情を判断してください

---

トリガー: ユーザーの感情が分析された
指示:  
# 感情に基づく映画の選択
- 推測された感情に基づいて、おすすめの映画ジャンルを丁寧に決定してください
  - ポジティブな感情の場合は、コメディ、ロマンス、ファンタジーから選んでください
  - ネガティブな感情の場合は、ドラマ、スリラー、ドキュメンタリーから選んでください
  - ニュートラルな感情の場合は、アクション、SF、アドベンチャーから選んでください
- 選択されたジャンルから、評価の高い映画を慎重に選んでください
  - 映画レビューサイトの評価を参考にしてください
  - 評価の高い順に映画をリストアップしてください
  - リストの上位から、適切な映画を選択してください

# ユーザーへの映画提案
- 選ばれた映画の詳細情報を丁寧に取得してください
  - 映画のタイトル、監督、主演俳優、公開年を調べてください
  - 映画のあらすじを要約してください
- ユーザーの感情に合わせた映画提案文を注意深く生成してください
  - ユーザーの感情を反映した言葉を選んでください
  - 映画の魅力が伝わるような文章を作成してください  

悪い例

トリガー: ユーザーのツイートが入力される
指示:
ツイート読む
感情当てる
ジャンル決める
映画探す
提案文考える

一貫性と明確さ(続き)

良い例(続き)

# 感情に基づく映画の選択 
- 推測された感情に基づいて、おすすめの映画ジャンルを以下の基準で丁寧に決定してください
  - ポジティブな感情の場合は、コメディ、ロマンス、ファンタジーから選んでください
  - ネガティブな感情の場合は、ドラマ、スリラー、ドキュメンタリーから選んでください
  - ニュートラルな感情の場合は、アクション、SF、アドベンチャーから選んでください
- 選択されたジャンルから、評価の高い映画を以下の基準で慎重に選んでください
  - IMDbやRotten Tomatoesの評価が高い映画を優先してください
  - 公開年が新しい映画を優先してください
  - ユーザーの年齢や性別に合わせた映画を選んでください

# ユーザーへの映画提案
- 選ばれた映画の詳細情報を丁寧に取得してください
  - 映画のタイトル、監督、主演俳優、公開年を調べてください
  - 映画のあらすじを要約してください
- ユーザーの感情に合わせた映画提案文を以下の例を参考に注意深く生成してください

=== 映画提案文の例 ===

ポジティブな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、あなたのツイートからは幸せオーラが溢れていますね!そんな気分にぴったりなのが、[映画タイトル]です。[主演俳優]の素敵な演技と、[監督]ならではの演出が光る作品で、きっと笑顔になれるはずですよ。ぜひ時間をかけて[予告編のリンク]をチェックしてみてくださいね!」

ネガティブな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、今は疲れているのかもしれませんね。そんな時におすすめしたいのが、[映画タイトル]です。[主演俳優]の繊細な演技が、心に寄り添ってくれるはずです。この映画をゆっくり見れば、きっと心が癒されるはずです。[予告編のリンク]を見て、興味が湧いたら、十分に休みながら鑑賞してくださいね。」

ニュートラルな感情の場合:
「[ユーザー名]さん、今日は普段通りの一日みたいですね。そんな日におすすめなのが、[映画タイトル]です。[主演俳優]の迫真の演技と、[監督]の手腕が冴える、ワクワクするような冒険が待っていますよ![予告編のリンク]を見て、ぜひじっくりと映画の世界観を楽しんでください!」

悪い例

トリガー: ツイート
指示:
感情分析(ポジティブ、ネガティブetc.)
ジャンル選択(感情に合わせて)
高評価映画選ぶ
詳細情報取得
提案文生成(感情に合わせて)

まとめ

以上のガイドラインを参考に、初学者の方でも効果的なプロンプトを作成できるはずです。
プロンプトの設計は、モデルの性能を大きく左右する重要な要素です。ガイドラインに沿って丁寧にプロンプトを作成することで、より優れたカスタムGPTを開発できるでしょう。
実際にプロンプトを作成する際は、以下の点に注意しましょう。

  • タスクの目的と要件を明確に理解する
  • ガイドラインに沿って、具体的かつ明瞭なプロンプトを作成する
  • プロンプトをテストし、必要に応じて修正や改善を行う
  • GPTの出力を確認し、目的の結果が得られているか評価する

これらのステップを踏まえながら、試行錯誤を重ねることで、徐々に効果的なプロンプトを作成できるようになるでしょう。
カスタムGPTは、適切に設計されたプロンプトによって、多様な用途に応用できる強力なツールです。このガイドを活用して、あなたのニーズに合ったカスタムGPTを作成してみてください。

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